2020年12月6日(日)、土崎みなと歴史伝承館において、ウィルス感染防止対策をとりながら、「土崎空襲の戦争遺跡『講演会&上映会』」を開催したところ、約50名の方々が参加されました。
最初に、CNA秋田ケーブルテレビ制作の番組「戦争の爪痕~土崎空襲を伝える被爆倉庫」を上映しました。土崎空襲において爆撃の標的となり壊滅的被害を受けた日本石油秋田製油所の構内で唯一焼け残り、爆撃の激烈さを伝えてきた「被爆倉庫」。その解体、及び柱や天井などの一部を伝承館に移設し保存を図るという難事業と、やり遂げた関係者の苦闘と思いを描いたドキュメンタリーです。
続いて、秋田大学教育文化学部教授 外池 智教授が、「記録と記憶~秋田県の戦争遺跡をたどって~」と題して講演しました。豊富なスライド資料を用い、参加者と対話しながらの和やかな雰囲気の中で、県内の主な戦争遺跡について分かりやすくお話されました。
秋田県では、貴重な戦争遺跡が文化財として一件も登録されておらず、適切な保存がなされぬまま風化しつつあること、戦争体験者が生で語ることと同じように戦争遺跡に直接触れ体感することが戦争をリアルに感じるインパクトを持つこと、秋田県では戦争被害の最たるものが土崎空襲だが、花岡事件などに見られる戦争の加害的側面もきちんと押さえなければ戦争の真実を伝えることができないこと、そして戦争を伝える媒介としての「ヒト」と「モノ」をどう掘り起こし、保存・活用するかが緊要の課題であること、などが強調されました。
市民会議では、今後も多様な観点から土崎空襲、戦争と平和についてともに学び考える機会を創っていきます。
※参考「秋田県の戦争遺跡―次世代を担うあなたへ―」秋田県戦争遺跡研究会編 秋田文化出版
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