夏を振り返る② 鎮魂と平和の誓い~8/14犠牲者追悼平和祈念式典

 日本最後の空襲「土崎空襲」により犠牲となった250名以上の方々のご冥福を祈るとともに「二度と同じ惨禍を繰り返すまい」と平和を誓う第48回土崎空襲犠牲者追悼平和祈念式典が、8月14日、秋田市土崎港のポートタワーセリオンプラザで、ご遺族のお二人を始め、ご来賓、市民、報道陣などおよそ140名の参列者のもと挙行されました。

 冒頭、鎮魂の鐘の音と共に、犠牲者の冥福を祈り黙祷を捧げました。

 次に主催者を代表して土崎港被爆市民会議会長の伊藤紀久夫が挨拶を述べました。大雨の被害を受けられた被災者の皆さまへの心からのお見舞いを表するとともに、猛暑の中参列された皆様に感謝を申し上げたのち、次のように述べました。

 「満州事変以降無謀に突き進んだ戦争により日本で約300万人、アジアで約2,000万人にも上ると言われる人々の命が奪われた。250名以上が犠牲となった土崎空襲の終わったその日8月15日に戦争は終結したが、1人1人の人生、個人の尊厳や、あったであろう幸せを奪われた人々、また戦後の厳しい生活を耐え抜いた人々。今ある社会はそれらの尊い犠牲の上に気づかれて築かれたものであることを忘れてはいけない。現在ロシアによる侵攻で、平和のためと言いながら武器の増強や軍備の拡大が止むことがない。日本でも、抑止力の拡大と言いながら、かつてない軍備の拡大が進められている。憲法の不戦の誓いと九条を守り、外交と対話により信頼を得て平和の方向に進むのか、戦争をする国になっていくのか、国民一人一人に問われている課題でもある。市民会議は、多くの子どもたちや市民と、土崎空襲と戦争について知る・学ぶ・考える、そして勇気を出して一歩を踏み出す。そのための機会を作りだしてきた。学んだ子どもたちの「戦争は絶対にしてはいけない」「私たちが語り継ぐ」という決意に支えられながら活動を進めている。平和の尊さを伝えること、子どもたちにより良い未来をプレゼントすること、そのために土崎の地から「戦争は絶対ダメ」と声を上げ発信し続けることを誓う」

 来賓を代表して穂積志秋田市長、菅原琢哉同市議会議長が挨拶を述べ、佐竹敬久秋田県知事、北林丈正同県議会議長からのメッセージが読み上げられた後、参列者が献花を行い式典を閉じました。

 会場には秋田公立美術大学付属高等学院の生徒たち10人がデザインしたポスターが展示されました。その制作にあたっては事前のレポート作成、土崎空襲講話会を通して学習しテーマをを深めました。中には伝承館や会長宅を再訪問した生徒もいます。6月の県美術展で、特賞1名、奨励賞2名を始めほとんどの作品が入賞しました。高校生たちの若々しい感性による美術表現とコラボした新しい式典ともなりました。

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