平和への思い~高校生たちが発信

 昨年12月10日、土崎みなと歴史伝承館で「戦争と土崎空襲展」の特別企画~ギャラリートークと証言朗読会~を開催しました。
 第一部は、秋田公立美術大附属高等学院3年生10人によるギャラリートーク。県美術展への応募作品として、土崎空襲を題材として「平和」を訴えるポスター制作に挑んだ過程について、各自がプレゼンテーションを展開しました。
 レポート作成や講話会などの取材を通して「何を、誰に伝えたいか」「土崎空襲や戦争の残酷さを語り継ぐことの大切さをどう織り込むか」などを構想し、ラフデザインから、材質・表現技法、キャッチコピーの設定などを吟味し、原図に修正に修正を加え作品完成までに至った経過を自身の言葉で語りました。一人一人が真摯に土崎空襲と戦争の問題に向き合い、もてる表現力の限りを尽くして平和への思いや願いをデザインに込めた創作姿勢が聴衆の胸を打ちました。
 指導者の澤田弦吾先生は「君たちは、今県内で最も土崎空襲について詳しい高校生だから、自分の表現力を生かして先の世代に伝えてもらいたい」と語りました。
 第二部では、3人の高校3年生が「証言 土崎空襲」から、「十六歳 女学生の空襲体験」(座談会)を朗読しました。普段の生活では触れることもない秋田弁を含む難しい談話でしたが、練習を積み重ね、真に迫るような朗読で空襲当夜の悲劇をしっかりと伝えてくれました。
 高校生たちが、まさしく主人公として「戦争は二度と起こしてはならない」「私たちが伝えていかなければならない」との決意を、力いっぱい発信しました。
※ 感想文より
◎皆さんのお話を聞いて、1人1人の方が戦争を、また土崎空襲のことを「わがこと」としてとらえていて、本当に感動しました。伝えていく世代として本当に頼もしい限りです!ずーっと今の思いを持ち続けてくださいね。(75歳)

◎若い女生徒さんたちがけが人、死人を運んだという事実が衝撃でした。重かったことが実感を持って伝わってきました。(66歳)

◎・ギャラリートーク~10人の方の戦争に対する考え方、キャッチコピーなど感心させられました。素晴らしい発表でした。
・「証言 土崎空襲」の高校生のボランティアによる朗読会~談話的会話でその時の状況が伝わってくるようでした。高校生のみなさん、これから期待したいです。今日は本当に来てよかったです。ありがとうございました。(78歳)

◎先日たまたまある集まりで土崎空襲の話が出て、今日特別企画に出会えて、改めて戦争はあってはならない、何も良いことは生まれない、悲惨しかないと痛感した次第でした。「証言朗読会」を聞きながら切迫つまる思いがしました。
 展示作品はひとつひとつ出来上がるまでの大変さ、心に通じてくるものでした。ありがとうございました。(73歳)

 ※これは、「平和新聞~秋田市版」24年1月5日発行 第339号に掲載された原稿に加筆したものです。

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