若者が土崎空襲を伝え継ぐ(証言朗読会)

 昨年12月8日(日)、土崎みなと歴史伝承館で「戦争と土崎空襲展」特別企画の第一部として、土崎空襲の体験証言の朗読会を行いました。「佐々木久春詩集」(市民会議顧問」から「Ⅳ 日本最後の空襲 土崎」を題材とし、聖霊短期大学の学生4人と同学講師の菅野薫氏の5人で分読しました。
 空襲当夜、突如激しい爆撃にさらされた人々の生々しい証言の数々を、朗読者の皆さんは、一語一語のニュアンスやアクセント、なまりなどに気を配りながら再現し、聴衆の中には、自身の体験を思い起こしながら涙を浮かべる方もおられました。

(アンケートより)
 「話し方のテンポ、言葉遣いもなまりのある聞きやすさで大変良かったです。状況が浮かんでくるようでした。ありがとうございました。」

 「8月14日被爆した人々の悲痛な記憶を若い人たちの言葉に乗せて現在に伝えていただき大変ありがたく思いました。」

 「一人で朗読するのは聞いたことはありますが、5人でリレーで語る朗読は初めて聞きました。伝わってくるものがありました。良かったです。」

 「学生の土崎空襲の朗読は、初めて聞きました。若い人たちの朗読は分かりやすく新鮮でした。このような活動が継承されていけばいいなと思いました。一つ一つの話が胸に迫るものでした。これだけの証言を集めた佐々木久春先生たちの平和への執念を感じました。」

 また、この活動を通して学生自身が自らの成長を感じ取っています。

 (振り返りの文より)

 「自分に割り当てられた体験談を朗読するにあたり、自分なりにその語り手になりきって状況や心情を想像しながら練習に取り組んだ。そしてそれは結果的に、戦争を「追体験」した、という形で自分に収まったと感じている。戦争を経験していない現代人にとって、戦時中の体験談を「朗読する」というのは、「その体験をした当事者に自分の立場を置き換える」ことでより良いものにできると感じたため、苦労、理不尽、辛さ、絶望などの苦しみを、1番実感に近い形で理解することができる方法なのではないかと、今回の経験を通して考えた。ただ文章を読んだり、話を聞いたりするだけでは得られない経験だと思う。だからこそ私は、この経験ができたことを誇りに思う。また、その後体験者の方の話を聞かせていただいたことで、より当時の状況を細かく理解することができ、「戦争は、二度とあってはならないことである」ということを再認識することが出来た。そして、体験者の方々のその心からの切なる思いを受け取った私達が、さらにそれを次の世代に語り、繋げていくことが、先代の方々のお陰で幸せな時代を生きることができている私達の使命であるのだろうと思った。また、今後同じような機会があれば、積極的に参加させていただきたいと思う。」

 空襲や戦争の自身の体験を語れる人々が少なくなっていくなか、非体験者、特に若い世代がが戦争の悲劇を伝承するあり方として、このような取り組みを今後とも追求していきます。

土崎空襲を語り継ぐ 『土崎港(みなと)被爆市民会議』

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