去る10月23日(土)、24日(日)の2回、土崎空襲の主な被爆地点を巡るバスツアーを行いました。
午後1時に土崎みなと歴史伝承館の階段教室に集合した後、土崎港被爆市民会議の伊藤紀久夫会長が30分ほど、土崎空襲のあらましについてスライドショーを用いて説明しました。
バスに乗り込み、1時40分にバスツアーをスタートしました。見学地点は以下の通りです。
古川町街区公園内 慰霊碑つばさ ※土崎の街と日石を結ぶ道路。日石社員や家族が犠牲に。
JXTGエネルギー(株)秋田油槽所(旧日本石油秋田製油所)
※空襲の最大の標的となり構内施設はほぼ全壊の被害を受けた。社員も多く犠牲となった。
慰霊碑 八角高射砲台座 ※日石を防衛するための独立高射砲隊の陣地から移設。
慰霊碑 光沼 ※空襲下、市民が往来する道路の途中にある。爆撃により多くの犠牲者が出た。
雲祥院 ※県内唯一の戦災寺院。飛散した破片により頭部をもがれた首なし地蔵数体や墓石が残る。
旧日石社宅跡通平和祈念碑 ※日石が構築した大きな防空壕があったが直撃を受け多数が死亡。
港湾公園内平和を祈る乙女の像 ※市民からの浄財370万円で市民会議が建立した慰霊碑第1号。
※ポートタワーセリオン展望台~空襲の被災地と土崎の市街地全景を望める。
雄物岸街区公園(かもめ公園)平和祈念碑 ※市街地が被弾し、約30名が犠牲に。
午後4時ころに、伝承館に戻り解散しました。
参加者の皆さんは、バスの中からの見学も含め、各現場で主に伊藤会長の詳細な説明を聞きながら慰霊碑を見て、触れて、空襲の苛烈さ、幾多の悲劇を実感することができました。犠牲者の無念と心身に傷を抱え生きながらえた人々の苦難、土崎の人々の慰霊と復興への歩みに思いを馳せるとともに、やはり2度と戦争はあってはならないとの思いを強くしました。
今回は市民会議の事務局スタッフを含め延べ35名余りの参加がありました。アンケートには、「バスで巡るのはとても良い企画だった」「また参加したい」「もっと多くの人に広めたい」などの声が多くありましたので、今後もさらに内容を工夫して企画していきます。
参加者の皆様にはこの場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
アンケートから
「土崎空襲が日本最後の空襲であることは知っていたが、その実態は知らなかった。今日参加して、その悲惨な事実に衝撃を受けた。伝承館はお祭りの展示のみと思っていて、戦争関連の資料があることを知らなかった。今度時間をかけて訪れたい。今日は参加して、心から良かったと思う。また機会があればぜひお願いします。(20代)」
「土崎空襲に対してはあまり分からなかった。いろいろなところへ行って、これほどひどいこととは知らなかった。やっぱり戦争とかはなくしてほしいです。またぜひ聞きたいと思います。(60代)」
「今回初めて土崎空襲で爆撃された跡地を何カ所も見せて頂き、本当に貴重な体験をさせて頂きました。どの跡地でも、経験された方、案内して下さった方々のお話も初めて聞くことが多く、胸が震える思いでした。戦争は決していけないという事、子供達にも伝えていきたいと思います。ありがとうございました。(70代)」
「公的行事として初めて行われたことに関係者の皆様のご努力に敬意を表します。戦争に反対し平和を守る運動がこうした方向で発展することを祈念いたします。土崎空襲の被災者の一人として、当時のことを懐かしく思い起こしています。ありがとうございました。〔80代)」
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