土崎空襲の体験・記憶をどう継承するか?学びました(12/5シンポジウム)

 去る12月5日(日)、土崎みなと歴史伝承館にて、「戦争と土崎空襲シンポジウム」を開催しました。マスコミ関係者を含め、約40名の参加がありました。

 テーマは「戦争と、なぜ土崎空襲が日本最後の空襲だったのかを考える」。元秋田放送アナウンサーで秋田・市民メディア研究会会員の依本悟氏をコーディネーターとし、3人のシンポジストにそれぞれの立場から、テーマに迫る発言をしていただきました。その内容を、秋田魁新報の12月6日付の記事「記憶の継承が大事」から引用して紹介します。

西村修氏

 (秋田魁新報社元編集委員、秋田ケーブルテレビ記者)※秋田CNA「アップルは届かず」を制作 

 「終戦前夜に行われた土崎空襲の背景について、対日参戦したソ連の動きがあったと指摘。『米国には戦争を終わらせるという強い意志があった。土崎空襲は米ソの緊張の中で行われた、冷戦の始まりにもつながる爆撃だった』と話した。」

 佐々木久春氏(土崎港被爆市民会議顧問)  

 「市民会議の創設や証言の記録に携わってきた秋田大・県立大の佐々木久春名誉教授は、多くの記録が残されている一方、直接話を聞ける体験者が減少していることに触れ、『これからどう語り継いでいくかが大事。戦争で死ぬということはどういうことか、人間の命について考えてほしい』と強調した。 

 外池智氏(秋田大学教授) ※「秋田県の戦争遺跡」の編著者  

 「地元小学校などの授業で、地域理解やキャリア教育の題材として土崎空襲が取り上げられていることを紹介。『土崎空襲は平和学習だけでなく、自分の生き方や地域についての学習など、いろいろなアプローチが可能な教材といえる』と指摘した。」 

 シンポジストからの発言後、積極的な質問・発言があり熱気に満ちたシンポジウムとなりました。日本の社会が危うい方向に進もうとしている中、戦争や土崎空襲の歴史の事実と記憶を次の世代にしっかりと伝えていかねばならない、そのあり方について今後もこのような形を含めて考えていくことの大切さが確認されました。

 なお、このシンポジウムの模様は後日、秋田ケーブルテレビで放送される予定です。

 以下、アンケートからいくつかを紹介します。

・勉強になりました。定期的に開催されればよいと思います。(秋田市、71)

・本日は貴重なお話を伺え勉強になりました。「土崎空襲」は後世に語り継ぐ必要性を強く感じており、また「花岡事件」も同じと思います。微力ですが、何かの形で発信していきたいと強く思いました。このような感動を、今後も継続・応援いたします。(秋田市) 

・地域の小中高が様々な形で土崎空襲を学んでいることに感銘を受けました。学校教育・生涯学習の大切さを知りました。(土崎、64) 

・大変よい企画でした。秋田大学の先生の学校における土崎空襲をどう教えているかの研究発表はすばらしい。教育上の問題として、学校では現代史を教えていないという点(NHKの大河ドラマがくりかえし「時代物」をやる)などについて、もっと強く発言していきたい。(土崎、88) 

・土崎地区以外の秋田市民の中に広く広げていくことが大切だと思った。(秋田市、82) 

・土崎の被爆教育は、土崎以外でもやるべき。市民会議が市教育庁、県教育庁へ進言すべきではないか。(秋田市、61) 

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