6月25日(土)、土崎みなと歴史伝承館において新婦人の会みなと班の皆さんと「土崎空襲のお話を聞く会」を開きました。
最初に、秋田ケーブルテレビ制作のドキュメンタリー「語り継ぐ土崎空襲」を視聴しました。番組の中で、爆弾の破片で頭を割かれ大量の血を流しながら、一つの治療も受けられず死んでいく父親の姿を見届けることしかできなかった大橋さんが、絞り出すように「戦争は罪悪だ」と口にする場面、あるいは土崎空襲について学んだ子どもたちが「戦争をくり返さないために、自分たちが伝えていきます」と平和のメッセージを力強く発表する場面などで、涙する参加者の姿がありました。
続いて、空襲当時4才だった伊藤津紀子さんが自分の体験を交えながら土崎空襲についてお話しをしました。日本石油秋田製油所が終戦前日に爆撃の標的となった理由を太平洋戦争の推移を概観しながら述べた後、自身の近隣の町内に落とされた爆弾によって引き起こされた凄惨な出来事を語りました。隣家で生き埋めのまま亡くなったご夫婦の事、真向かいの家の岩間久平君は破片が脇腹を貫通して亡くなったこと、母親に負ぶわれながら首を切り落とされた赤ちゃんのこと、蚊帳を体に巻き付けで立ち目を大きく見開いたたまま死んだ子どものこと、、、。空襲が、そして戦争がいかに罪のない一般の人々を悲劇と絶望のどん底に突き落とすものかを教えてくれました。
最後に、場所を変えて土崎空襲や戦争、とりわけウクライナでの戦争のことなどについてフリートークを行いました。「語り部のいる地域とそうでない地域では、戦争のことについての考え方がちがうように思う。伝える人や機会の存在が大切だ」、「駅前で歌いながらスタンディングをしていると、若いお母さんと子どもが立ち止まって聞いたり、カンパしてくれたりする。発信することが大切だ」、「国連安保理でケニアの大使が語ったように、同じ過ちを繰り返さないように歴史を学ばなければならないと思う」、「戦争になると文化、書道、歌、バレエ、演劇など美しいものが全て壊されていく。それが悲しい」、「今の若者が戦争体験を直接聞くことのできる最後の世代。これからは経験していないものが伝えていかなければならない」、「今日のビデオなど何度も繰り返し見る、あるいは話を聞くことで自分のものになっていく」、「マイナンバーなどデジタル化や個人情報管理の推進が国民に知らされないうちに進められているようだ。そんな動きも戦争につながるのでは」、「親は子どもを戦争に行かせるために育てているわけではないはず。自分のこととして考えていかなればならないはず」、「戦争の悲惨さを知れば、若者は戦争っていけないことなんだと必ず気づくものだ」、など活発に意見が出され有意義な会となりました。
以下、アンケートの記述をいくつか紹介します。
「最後の空襲が、秋田の土崎とは、、、。恥ずかしながら今日知りました。歴史は繰り返される、、、。では自分は何をしたらいいのか、何ができるのかと疑問を持ちながら、これから考えていきたいです。貴重なお話を、ありがとうございました。」
「『土崎空襲のお話を聞く会』に参加させていただきありがとうございました。ディスカッションの時間では、様々な思いをきくことができ良かったです。空爆に大小はあったのかもしれないけれど、被爆者に大小はない。土崎空襲も広島・長崎の原爆も、ウクライナでの爆撃も、失った命、傷ついた心は帰らないのです。インスタグラム、ツイッターでも発信させていただきます。」
「他の方がおっしゃっていましたが、私も何度も「語り継ぐ土崎空襲」は聞いていましたが、30代と、50代・60代では、まったく感覚が違うと実感しました。今は「語り継ぐ土崎空襲」は、絶やしてはならない気持ちが強い。私なりの形でもいいから伝えたいと思います。まず、身近から、、、」
「今日お話しを聞き、さらに戦争のおろかさ、絶対にやってはならないと感じました。このことを多くの人々に、訴え、発信していければ良いと思いました。」
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