「平和を守るために、私たちは」~子どもたちからのメッセージ

 去る8月14日、土崎空襲犠牲者追悼平和祈念式典に続き、「21世紀子どもたちから平和のメッセージ発表会」を開催しました。市内の4小学校、4中学校から寄せられた多数の応募作品のうち、審査の結果17作品が入選し、小学生8名、中学生3名が発表しました。
 子どもたちは、各学校での戦争と平和についての学習、土崎空襲講話会、書籍やインターネット、あるいは家族との話し合いなどを通して、空襲や戦争の実態を学び、その残酷さや非道さに胸を痛めながら、平和の大切さについてかみしめました。戦争はいけない。平和な社会で生きていきたい、そのために、何をすべきなのかを一生懸命考え作文にまとめ、平和へのメッセージとして力いっぱい発信してくれました。
 小学生の部門、中学生の部門でそれぞれ最優秀賞を獲得した作品の要旨を掲載しますので、ぜひご一読ください。
 また、日本非核宣言自治体協議会主催の「長崎への親子記者事業」で、8月8日から11日までの間、長崎での平和祈念式典に参加し、原爆資料館の見学、被爆者の方々への取材を行った鎌田悠央さんが「親子記者事業に参加して」というタイトルで徳部悦報告をしてくれました。あわせてご覧ください。
 なお、子どもたちの発表の後、子どもたちから平和のメッセージを贈る会審査委員長の佐々木久春氏が講評を述べ、東京在住の詩人いとうのぼる氏による詩文「いつもの8月」が朗読(代読)されて発表会を閉じました。


 小学生の部門 最優秀賞「平和な星を目指して」 木村姫乃さん

 “Over the Horizon”という英文の中に、宇宙から見ると、地球は国境や国を隔てるものなど何もない平和に満ちた星だ、とあった。しかし、地球上では実際にはあちらこちらで戦争や差別などが起こっている」「どのような事を考え、どう暮らしていったらよいかを考えるために土崎空襲のことを調べた」「土崎の町が日本を降伏させるための手段として爆撃された。そのわずか10時間後に終戦になったことを考えると、本当にくやしく悲しく思った」「爆弾を投下した人にも、犠牲になった人たちと同じように大切な家族がいるのに、戦争はそんなこと忘れさせてしまう」「戦争体験を語れる人が少なくなる中、辛さを乗り越えて語り継ごうとしている人たちがいる。その気持ちを無駄にしてはいけない」「戦争はこわいから、かわいそうだから知りたくないという人がいる。けれども本当に怖いのは、知ることをやめてしまうことだ」「戦争がなぜ起きたのか、どうしたら平和を守っていくことができるのか、を考え未来へ訴え続けることが大切だ」「相手の気持ちや立場を理解すること、自分の利益を優先しないこと、など学校から、地域から広めていきたい」「いつか宇宙から見た時、地球が争いで隔てられているところのない、平和に満ち溢れた美しい星でありますように」。

 中学生の部門 最優秀賞 「平和への第一歩」三浦 杏さん
 戦争は多くの人を傷つけるもので、二度としてはいけないということは知っているが、戦争の話しを聞くと不思議な気持ちになることがある」「平和学習講話会で戦争の話しを聞いたり、国語の時間に『大人になれなかった弟たちに』を学んだりした」「もし自分が戦争を体験することになったら、空襲警報が鳴るたびに防空壕の中で過ごすことに耐えられるだろうか、周りの人たちの死を素直に悲しめなくなるのではないか、など人間らしさがなくなってしまうのではないかという気がした」「体験者から聞くと、戦争は本当に残酷だ。戦争をしてはいけないと訴えている人たちがいるのに、今戦争が起きており、たくさんの人々や子どもたちが苦しんでいてとても悲しい」「日本は幸い憲法があり、平和が守られている。世界の人々も平和を意識して生きていくべきだ」「戦争はなぜなくならないのか?その国の主張や戦う理由はあるかもしれないが、戦争はいけない」「講話会では争いごとは話し合いで解決できると教わった。世界の国々が考えを伝えあい、理解し合うことで平和への第一歩を踏み出すことができる」「世界中がお互い理解し合い、平和になって笑顔で生活できるようになることを祈る」。

特別報告 「親子記者事業に参加して」 鎌田悠央さん
 「土崎空襲で、すごく近いところでたくさんの人が亡くなったことを知り、あと半日早く終わっていれば、というくやしい気持ちを抱えながら、長崎を訪問した」「77年前、1945年8月9日、僕の身長より高く、体の2回り以上もある大きさの、プルトニウムをたくさん入れた原爆が長崎上空で爆発し、7万4千人以上の命を奪った」「原爆資料館には、11:02で止まった時計が展示されていた」「原爆はそこで亡くなった人だけでなく、その後に生まれた人たちや、その時には無傷に見えた人々の生活をこわした」「皮膚のただれた人々や、赤ちゃんを抱っこして元気のないお母さんの写真など、思わず目をそむけてしまった」「こんなひどいことをした人も、された人も、国は違っても同じ人間だということが信じられなくなった」「チンドン屋の河内さんは平和紙芝居を見せてくれ、けんかをしても仲直りする方法があると教えてくれた。料理研究家の秋山さんは、つらい思い出しかない戦時中のことを話してくれた」「一番知りたかったのは、なぜ戦争がおきたのか。大人たちが仲直りできない大きなけんかをしたせいで、無関係な子どもたちが巻き込まれたのだと分かった」「平和とは、自由に好きな物を食べ、やりたいことをして、ダメなことはダメと言える、当たり前の生活ができるということだと知った」「ロシアとウクライナで起きていることは、明日や未来の僕たちに起きることかもしれない」「大人たちがケンカをし始めようとしたら、仲良くしよう、ケンカなんかしちゃだめだと声を出して止めてみたい」「友だちとゲームや野球をしたり、アイスを食べたり、そんな毎日をずっと続けていけるように、みんなにも自分の学んだことを話していきたい」

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