「空襲・戦災を記録する会」は、その主な目的を「過去の戦争による空襲・戦災の記憶を記録・継承し、関連する内外資料の調査・研究を通して空襲の包括的な理解と普及をはかるなど、多様な活動が全国各地で行われている。この会は、これらの個人が幅広く情報を交換しあい交流すること」(会則より)としています。毎年8月下旬に各地で全国大会を開催してきています。第53回となる今回は、8月25日から秋田大学手形キャンパスを主会場に開催されます。
とりわけ今年のテーマは「秋田から考える戦争最末期空襲 ー日本本土に対する「最後の空襲」の実相ー 」で、土崎空襲を含む、いわゆる「フィナーレ空襲」にスポットライトが当てられています。
昨年12月に新聞等でも大きく紹介された空襲展展示「空襲を免れた都市~秋田及び土崎市街地への空襲計画」の資料を提供していただいた山口県在住・記録する会事務局長の工藤洋三氏が来県され、「作戦任務報告書」Tactical MIssion Report の全容について、またその中での土崎空襲の位置づけについて講演していただく企画があります。
この全国大会にぜひご参加いただき、空襲・戦災史の最先端、及び各地での戦争・空襲体験の継承活動の現状などに触れていただけると幸いです。
ご参加を希望される方、また詳細の情報についてお知りになりたい方は、下記にご連絡ください。ご希望により開催要項をお届けします。
土崎港被爆市民会議 小野哲(さとし)
Mail: hibaku.tsu@gmail.com / Tel: 090-7066-7402
第53回空襲・戦災を記録する会 秋田大会の概要
期日: 8/25(金)~8/27(日)
会場: 秋田大学教育文化学部(Zoomによるオンライン配信とのハイフレックス)
日程・内容: ※●は土崎港被爆市民会議の主催のオプショナル企画
◎25日 18:00~21:00 / 26日 9:00~12:00 空襲資料研究会
◎26日 13:00~16:30 大会Ⅰ 記念講演とシンポジウム
・記念講演
「地域における継承的アーカイブと学校教育での活用―秋田県を中心にー」
秋田大学大学院教授 外池智さん
・土崎港被爆市民会議の取り組み 小野哲
・シンポジウム
秋田から考える戦争最末期の空襲―日本本土における「最後の空襲」の実相―
① 日本最後の空襲―なぜ土崎は爆撃されたのかー 西村修さん
② 本州北部への艦載機による空襲慨史 田中まことさん
③ 戦争末期の岩手県空襲 加藤昭雄さん
④ 大阪陸軍造兵廠の八月十四日空襲 佐々木和子さん
⑤ 質疑応答・書籍販売
●26日18:30~ 懇親会(ユースパル レストランAOPAL 4,000円)
◎27日 9:00~12:30 大会Ⅱ 各地の活動・自由報告
●27日 14:00~ 講座「土崎空襲を学ぶ」(無料)~市民も対象
Ⅰ 講演「米軍の石油作戦と土崎空襲」
講師:工藤洋三さん(空襲・戦災を記録する会事務局長)
会場:土崎みなと歴史伝承館 階段教室 先着70人
Ⅱ 戦跡巡り(バス) 伝承館発着 15:15~17:30
旧日石構内、雲祥院、乙女の像など 25人(要申込)
大会参加費:2,000円
ー開催要項よりー
空襲・戦災を記録する会は、本年8月25~27日(金~日)の3日間の日程で、第53回全国大会を秋田市の秋田大学を会場に開催いたします。また、27日(日)の午後には土崎港被爆市民会議主催の講座「土崎空襲を学ぶ」が予定されています。
本大会は、故・早乙女勝元氏らと各地の市民の手によって、空襲・戦災を記録し、その実相を体験者の証言や米軍資料に求め、市民に語り伝える取り組みが全国に広がったことを受けて、1970年に交流の場として第1回・東京大会を開催したことに始まりました。
2020年には半世紀を迎えましたが、新型コロナウイルスの感染拡大と重なり、この節目の50回大会はオンライン開催とせざるを得ませんでした。翌21年の51回大会も同様でしたが、昨夏の52回大会は、東京女子大学を会場に対面とオンラインとを併用するハイフレックスで開催することができました。23年夏の53回大会では、久しぶりに東北地方・秋田で開催します。大会1日目と2日目午前には空襲資料研究会を、3日目には各地の活動・自由報告を予定しています。秋田市の土崎港被爆市民会議のみなさまのご尽力に感謝しつつ、大会が開催できることを喜び合いたいと思います。
大会2日目の8月26日(土)午後は、外池智さん(秋田大学大学院教授)の記念講演に続いて、シンポジウム「秋田から考える戦争最末期の空襲―日本本土に対する『最後の空襲』の実相―」を開催します。
秋田市北西部の土崎地区は、1945年8月14日夜半から15日の未明にかけて空襲を受け、大きな損害を被りました。この空襲は、戦争末期に行われた「石油作戦」のひとつとして旧日本石油秋田製油所を標的としたもので、アメリカ軍は日本の降伏時に全国で行った一連の「フィナーレ(幕切れ)爆撃」として位置づけています。これは、8月15日未明の悲劇として語り継がれてきた、熊谷、伊勢崎、大阪陸軍造兵廠などを目標とした空襲のひとつでした。
今大会ではこうした戦争最末期の空襲に焦点をあてつつ、全国各地からの調査・研究の成果を持ち寄って議論を深めたいと考えています。
コロナ禍で培ったオンラインでのつながりも大切に、今大会もハイフレックス方式で開催いたします。お好みの方法でご参加ください。
※下記プログラム中、8月28日(月)に予定された男鹿半島バスツアーは不催行となりました。
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