音楽の喜びと平和への想い、感動に満ちたステージ

 去る10月9日(月・祝)、秋田市北部市民サービスセンター(キタスカ)にて「秋田吹奏楽団 交響組曲「秋田」 はまなすの章 土崎公演」を開催しました。13:00頃から多くの市民が会場に姿を見せ、開場予定時刻13:30を大幅に前倒しして入場案内を開始しました。開演時刻には、約260人のお客様で地域文化ホールはいっぱいになりました。中には青森県や宮城県など、県外からの方もおられました。
 

 第一部は港ばやし保存会によるステージ。「寄せ太鼓」はじめ、軽快な、時には勇壮な、そして時には哀調を帯びたメロディーとリズムで「土崎港ばやし」4曲を披露しました。土崎の町、そして港まつりの伝統に根ざしたまさに「本場もん」の演奏で会場を魅了しました。

 続いて、司会の賀内隆弘氏(秋田放送)が土崎港被爆市民会議の会長にこのコンサートの開催までの経緯や趣旨などについてインタビューしました。

 第二部は、秋田吹奏楽団40周年定期演奏会記念委嘱作品 天野正道氏作曲 交響組曲「秋田」より はまなすの章 「はまなすの詩~1945.8.14 土崎の記憶」。秋田吹奏楽団、語りの伊藤津紀子さん、港ばやし保存会の三者によるコラボレーションで、港や祭りを中心とした土崎の町の戦前から当時までの賑わい、突然人々を恐怖のどん底に追い込んだ土崎空襲の悲劇、人々の記憶、その後の復興と恒久平和への祈りと決意を感動的に謳いあげました。指揮の佐藤正人氏は自身が土崎出身。ふるさと土崎が見舞われた空襲の悲劇だからこそ、この曲と平和への強い思いを込めた熱演でもありました。
 ・「組曲『秋田』は素晴らしかった。感動しました。地獄の状態も音楽ではっきりと表現できることに改めて感じ入りました。港ばやしも効果的に使われて、作曲者の力量もすごいと思いました。」(70才、秋田市)
 ・「大変すばらしくよかったです。子供の頃の体験した空襲の日の景が想い出されて目がうるみました。おはやし、楽団共にマッチしとても印象深かったです。ありがとうございました。」(89才、秋田市)
 ・「ジャンルの異なる三者が見事に一つになり、戦争の恐ろしさ、平和への願いはひしひしと伝わる演奏でした。」(75才、秋田市濁川)

 第三部は、今年の吹奏楽コンクール全国大会への出場を決めた秋田吹奏楽団の魅力たっぷりのステージでした。前半は、「富士山」「茶摘み」など懐かしの愛唱歌などをフィーチャーした「ふるさとの歌」(天野氏の作曲)や「フォスター・ラプソディー」など、だれもが親しみ口ずさめるような楽曲が奏でられ会場が癒しで満たされました。後半は、今年のコンクール課題曲(天野氏作曲)の「レトロ」、そして自由曲として取り組んでいる「カム・サンデイ」の2曲。秋田吹奏楽団の本領をいかんなく発揮した、まさに圧巻のステージで会場を熱狂に包みました。
 ・「今まで聞いた中で1番素晴らしいレトロを聞くことができて、とてもうれしかったです。全国大会頑張って下さい。」(15才、秋田市)
 ・「Bravo!! カム・サンデー すごかったぁ!!」(18才、潟上市)
 ・「交響組曲「秋田」も素晴らしかったですが、秋田吹奏楽団のレベルの高さに驚きました。(初めて聴きましたので・・・)「レトロ」「カム・サンディ」最高!!でした。 今日のこの機会にありがとう。」(70才、秋田市)

 最後にアンコールを2曲。「ふるさと」、そして「秋田県民歌」。会場全体が歌声に包まれました。音楽を演奏する喜び、聞き、歌う楽しみ。そして平和への願いを共有すること。平和だからこそこのような時間を自由に享受できるのだ、と実感できる瞬間でした。
 多数寄せられたアンケートの感想文からも「戦争の恐ろしさや平和の大切さを改めて考えさせられた」「この演奏会を続けて欲しい」「もっと多くの人、特に子どもたちに聞かせたい」との思いが伝わってきました。

 さらに感想文の一部を紹介します。
 「音がとてもきれいでした。またききたいです。」(8才、秋田市下北手)

 「とても素敵な演奏でした。第二部の演奏、語りではいろいろな感情がこみあがり、戦争、平和について考える機会になりました。 ありがとうございました!全国大会頑張ってください!! 」(24歳、秋田市)

 「全体を通してとても充実した内容でとても良かった。港ばやしと吹奏楽の共演はとても新鮮で聴きごたえがあった。第二部に関してはもっと子どもたちに聴いてもらいたいと思った。3連休最後に素敵な時間をありがとうございました。」(44才、秋田市)
 「交響組曲「秋田」はいろいろなところで演奏していただきたいと思いました。費用のこともあるかと思いますが、ミルハスやアトリオンなど秋田全域の人たちが集まりやすいところでやってほしいです。戦争のことを受け継いでいくため、そして秋田の吹奏楽をもっと活発にするためにもぜひ!!」(47才、秋田市将軍野)
 「交響組曲「秋田」はまなすの章 とても感動しました。語り部の伊藤さんの語りはとても力がこもり、途中何度も涙がこぼれました。伊藤さんの後継の方が育っていると伊藤さんから伺い心から良かったと思っています。港ばやしと合わせて、土崎全体から平和への願いが伝わってきました。このはまなすの章と伊藤さんの語りは、全県の高等学校をぜひ巡回してほしいと思いました。費用は県から出してもらい、高校生たちに平和を願う心を強く持ってほしいと思いました。日本の将来のために。」(66才、秋田市御野場)
 「以前土崎に居住しており、今回の公演はとても関心を持っておりました。私自身新聞の小さな記事を見て知ったのですが、周囲の人たちは全く知らない様子でした。本日の会場も我々世代が多く、小中高生があまり見られず、少々残念に思いました。地域の生徒さん達には告知していたと思いますが、我々大人がもっと関心を持ってもらえるようにすることも必要な感じがしました。」(74才、秋田市泉)
 「交響組曲「秋田」はまなすの章の伊藤さんのリアルな語り、迫力のある叫びと秋田吹奏楽団のマッチした演奏。すばらしい。世界や日本の状況を思う時、こうした企画をもっと広めたいと感じます。」(76才、秋田市添川)


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