伝える、つなぐのは私たち!~平和のメッセージ発表会

 8月14日、平和祈念式典に続き「21世紀子どもたちから平和のメッセージ発表会が行われました。今回は、小中学生に加え、秋田クラーク高等学院と聖霊女子短期大学からもメッセ―ジが寄せられました。
審査結果は下の通りです。
≪優秀賞≫ 
 港北小学校 濱村咲樹さん「家族を失ういたみ」 
 土崎小学校 加賀屋雅さん 「平和な世界を願って」
 土崎南小学校 山下詩子さん「平和な世界へ」
 飯島小学校 工藤想大さん 「あの日起こった土崎空襲 戦争の悲惨さ」
 土崎中学校 和田悠希さん 「なぜまた戦争が起きているのか?」
 外旭川中学校 兒玉ひかりさん 「いつか戦争が終わるために」
 将軍野中学校 山下琴子さん 「初心」
≪推奨≫
 秋田クラーク高等学院 
  井上陽斗さん「土崎空襲の話を聞いて」
  高瀬花瑠さん「課外授業を通して」
  引地莉子さん 「平和について」
  藤本陽向さん 「『平和』の価値を考える」
  吉田愛実さん 「空襲学習を通して」
 聖霊女子短期大学 (タイトルは全員「平和のメッセージ」です)
  泉川ひまわりさん  蓼沼乃衣さん  多田柚葉さん  田口きららさん 
  藤原寧音さん  中村小雪さん  三浦愛結さん
 

 発表会では、優秀賞の7人及び推奨者を代表して井上さんと泉川さんが発表を行いました。それぞれが、土崎みなと歴史伝承館での講話会や見学、自校での平和学習会、あるいはひいおばあちゃんなど家族から体験を聞くなどして、土崎空襲や日本の戦争、現在の戦争などについて知り、考えたこと、そして平和の大切さ、そのために自分衣できることなどを力強く発信してくれました。以下、メッセージの要旨をまとめてみました。


 ・家族を失った痛み、まして爆弾や破片で手、足、胴体などがバラバラになり、亡くなった家族の遺体を確認できない遺族の悲しみ・苦しみはどんなであったろう?この悲劇が土崎であったことを知り、戦争は他人事ではなくなった。思いやる気持ちの大切さ、戦争の恐ろしさを考え伝ていきたい。

 ・土崎小は全校168人だが、これより100人近く多い人たちが空襲で亡くなった。こわい、では済まない恐ろしさを感じた。どんな理由があっても戦争はあってはならない。肉体だけでなく心を傷つける。恐ろしい記憶を語りついで、すべての人が笑顔で暮らせる世界を。

 ・ひいおばあちゃんから、空襲の夜負傷した人々が南小(旧高女)の築山にたくさん運ばれて来たことを聞いた。悲惨で地獄のような光景だったそうだ。ひいおばあちゃんがあの夜亡くなっていたら私はいなかった。体験者はどんどん少なくなる。戦争のことを次に伝える。

 ・世界では今も戦争があり、決して平和と言えない。戦争では、同じ人間なのに軽く扱われてしまう。戦争は暴力を使って自らの正義を押し付け合う行為。勝っても負けても命が奪われる。今も誰かが苦しんでいることを伝え、戦争を止めさせる努力をつなぐ役目を私が担いたい。

 ・戦争の当事国に他国が武器援助をすることも、戦争に加担するのと同じ行為だ。第二次大戦で二度と野蛮で残酷な行為を行わないと決めたが、今も戦争がある。戦争を招かないために、ネットに溢れる情報が正しいかを自分で判断する必要がある。世界情勢に気を配りたい。

 ・遺族の方から戦争当時は竹やりの訓練や、戦場の兵隊への手紙を書かされたことなどを聞いた。。今は、自分の将来のために学校で勉強しているが、当時すべてが戦争のためだった。戦争をすぐ止めることは出来ないが、体験をしっかり聞き、伝えることができる。

 ・曾祖母から空襲の話を聞き、その悲劇や平和への思いを伝えられているか不安だった。「初心のうた」という組曲と出会った。作者の平和への願いと若者への思いがこもった感動的な曲だ。戦争や空襲の体験者は少なくなるが、音楽は永遠だ。歌うことを通して平和を伝えていきたい。 ※「初心のうた」木島始作詞、信長貴富作曲

 ・土崎空襲の第一波と第二波の間の40分間の空白は、避難する猶予を与えるものかと推測したが、爆撃は無慈悲だった。先入観や決めつけで真相がうやむやになることが多い。客観的に物事を考えることが平和につながる。過去と向き合い伝え、未来のことを考えていきたい。

 ・県内で空襲があったことを初めて知った。ハエの群れを頼りに遺体を拾い集めた、バラバラの遺体を女学生が沼から拾い上げた、などのおぞましい事実。被害者の人数だけでなく、体験者・遺族の心の傷にも目を向ける必要がある。平和を心から祈り、戦争が過去のことと忘れられないように真実を伝えていく。

 戦争体験者の数が減り、戦争の記憶が薄れゆくなか、どのように継承していくのか、また、再びの戦争を繰り返さないために何ができるのか、喫緊の課題になりつつあるなか、今回高校・短大生までの世代を含めて多くの皆さんが発表会に応募し発信してくれたことは大きな励みであり、指針ともなりました。この動きをここからさらに力強く進めたいと市民会議では考えています。

 ご協力いただいた各校の校長先生始め、ご担当の先生方に対しまして心からの感謝を表します。

 誠にありがとうございました。





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