土崎空襲と戦争の学びを演劇に活かす~秋田南高演劇部

 去る9月22日(日)、土崎みなと歴史伝承館を秋田南高校演劇部の皆さん9名と顧問の先生が訪れ、土崎空襲について学びました。

 現在同部は全国大会につながるコンクールに向けて、戦争が一つの重要な背景となる創作劇に取り組んでいます。その一環で、土崎空襲や戦争当時の社会や暮らしなどの状況を深く理解したいと臨んだ講話会でした。

 階段教室で、動画「語り継ぐ土崎空襲」の視聴に続き、伊藤津紀子さんが空襲時の体験を証言しました。その後、会場を2階ホールに移し、さらに配給制や隣組の制度と関連させながら当時の衣服や食糧事情について、また出版や言論の統制などの事情などについても伊藤会長ともども詳細に説明を加えました。

 その後、先生や部員の皆さんから質問を出してもらいました。

「配給の食料を受け取るときはどんな入れ物を持って行ったのか?」「履物はどんなものだったか?」「水は貴重だったと思うが、洗濯や風呂はどうしていたのか?」「戦争が終わるまで、人々は戦争に勝つと思っていたのか?」「広島や長崎に原爆を落とされたことを人々は知っていたか?」「女性は家庭でどんな役割を果たしていたか?」「子どもたちは『腹減ったあ』などと言えたのか?甘い物を食べることはできたか?」など、、、。

 次々と具体的な質問がなされ、理解を深め、よりリアルな舞台にしようとの意気込みが伝わってきました。伊藤夫妻と他のスタッフも含めて答えました。

 今回の学習で同部の皆さん一人一人の戦争に対する認識が深まり、知識や思いが芝居作りに反映され、満足のいく、そして見る人に感動を与えられる発表になりますように、また願わくばより上位の大会に進出できますように、陰ながら応援したいと思います。

 以下、アンケートから。

 「本日、動画やお話を聞いて、戦争のリアルな悲惨さや生活などについて、授業では学べないような詳細な部分を知ることができました。学校や幼稚園などが戦争によって閉鎖されたことがとても衝撃的でした。また、爆弾が破片で被害を及ぼしていたのが、炎のイメージがあったので意外でした。今日お話を聞いたり、質問をしたりしたことも演劇に活かせるように日々精進するとともに、戦争について深く考え、忘れないようにしたいです。」

 「今日のお話を聞いて、空襲の内容や被爆者の方々の思いなども学ぶことができました。私は今まで、本や私の曾祖母から戦争・土崎空襲の事を学んできました。曾祖母からは実体験を聞くことは出来ていたのですが、すごく詳しくは聞いたことはなかったので、良い機会になりました。当時の生活のこと、逃げた時のこと、資料だけでは知る事ができない知識を得ることができて、勉強になったと思っています。今回のお話を通して、演劇をより良いものにし、他の人にも空襲のことが印象に残るようにできたらと考えました。ありがとうございました。」

土崎空襲を語り継ぐ 『土崎港(みなと)被爆市民会議』

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