土崎中1年生が「戦争と平和」を考えました

   去る10月16日(水)、秋田市立土崎中学校の1年生が総合的な学習の時間の一環として、土崎みなと歴史伝承館を訪れ、土崎空襲講話会に臨みました。「戦争と平和」というテーマを選んだ21人の皆さんが、講話会に臨むにあたり、質問を考え、問題意識をもって参加しました。

 ドキュメンタリー「語り継ぐ土崎空襲~終戦前夜の悲劇」の視聴に続き、空襲の概観や補足的知識についてのプレゼン、そして体験者伊藤津紀子さんの体験証言に真剣な表情で耳を傾けました。破片の実物を手にしたり、当時の子どもたちの衣服やわき腹を破片が貫通して亡くなった岩間久平君が着用していた学童服などを間近に見たり、展示ホールのガラス状に溶け出したコンクリートの柱の表面に触れたりしたことで、一層空襲の激しさや恐ろしさ、悲惨さを実感できたようです。

 講話会の最後には口頭で「伊藤さんはなぜ語り部活動を始めたのか?」「どうしたら戦争をなくしていけるのか?「土中生に望むことは何か?」などが質問され、津紀子さんと伊藤会長が、話し合う事や憲法の大切さ、歴史などを深く学んでほしいなどと答えました。

 アンケートの記述には、「空襲の恐ろしさが分かった」「戦争は二度と起こってはいけない」「お話を語り継いでいきたい」などの思いが書き込まれていました。

 今回の体験を生かして、これからも「平和のために自分たちにできることは何か」を、共に考えていきたいものです。

  アンケートより

  「私は今日の動画を見て、永久に日本最後の空襲が土崎空襲であってほしいなと思いました。土崎の焼け野原を見ていないのに、動画を見てその時自分がそこにいるように感じました。またお話や質問の答えを聞いて、今の土崎があるのは、復興を頑張ったのは勿論、このように語り、そしていろいろな人に伝えてその事を広めている人のおかげだと感じました。この貴重なお話を後輩たちに伝えていってこの話が一生語り継がれていければなと思います。」

 「戦時中の恐怖心や、苦しさがとても伝わってくる講話でした。私たちの経験したことのない怖ろしさは昔のようで身近なものでした。なので、私たちにできる、これからの人々に伝えていくこと、二度と繰り返さないことを心に刻んで大切にしていきます。この戦争、土崎空襲で亡くなってしまった人たちの死を無駄にしない、人々の命を背負っていることを忘れずに生きていきたいです。とても貴重な体験でした。ありがとうございました。」

 「戦争をしていた頃は、お金がたくさんあっても食べ物が買えないなど、みそを溶かして水で薄めたものでホットケーキのような物をおやつにしたり、肉片がバラバラで誰か分からなかったりなどと聞いて、戦争はとても残酷で、悲しみに満ちあふれた、行ってはいけないことだとよく分かりました。もし自分の大切な人の死体を見たら絶望でしかないと思います。」

 「動画やお話で戦争について改めて悲惨さや、食料が無かったり、物が無かったり、今では考えられないようなときで、今を大切にしようと考えさせられるご講話でした。
 印象に残ったことは、焼夷弾で土崎の町を焼き尽くそうという計画が立てられていたというお話を聞いたところです。爆弾を落とされて今でも大変なのに、もっと悲惨なことが行われると思ったらとてもびっくりしました。このお話は忘れてはいけないと思ったし、語り継がれていけばと思いました。」

 「小学生の頃に一度お話を聞いたことがありました。ですが実物の溶けたコンクリートの壁を見て触ることは初めてでした。あんなに固いコンクリートが、原形をとどめないほどのひどさで、戦争に対する恐怖心をとても感じました。この恐怖が失われないよう、後世へ語り継いでいきたいです。」

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